シロのメモをお守り代わりにミントは自身が対人恐怖症であることを自覚しなおしていた。
「こ、怖い…綺麗な町だし、大丈夫だとは思うけど…」
「いや、チャンスかも…これぐらい克服しなきゃシロに修行なんてさせてもらえないよ…」
するとそこに花売りをしている女性が目に映り、震える声で話しかけてみた。
「はい、何輪お買い求めでしょうか?」
その女性のとてもおしとやかな声と表情でミントは落ち着きを取り戻した。
「そそそそ、それじゃあ…そのつぼみがついているのをいくつか…」
「すみません、このばばあよくモノを見ることができないもので…」
選べない、ということなのか選ばせないということなのか、それは定かではないが、ミントは打開策を思いついた。
「それじゃあ、アタシが取って、それを数えればいいよ!はい、いくら?」
一つ一つ手渡しで数を数えながら女性に与えるミント。
女性は少し驚いた様子で、しかし頬笑み値段を告げる。
お金の計算ができないミントはとりあえず、財布から鷲掴みにした分の金を女性の両手に手渡した。
「お客様、一ケタお間違いでございます…」
「!…なんだ、足りないのかと思ってびっくりしちゃった。いいのいいの、もらっておいて!ボソッ…(修行代ってことで…!)」
「それじゃあ、せめてもてなしをさせておくれ…」
ミントの手を取ると、家に来てくれと懇願してきたのである。
修行の続きができると思ったミントは二つ返事で即答した。
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